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医療用語集

覚えておきたい医療用語をピックアップいたしました。

産業医

企業において企業で就労する労働者が健康で快適な作業環境で業務を行えるように指導、助言や健康管理を行う医師のことをいいます。
労働安全衛生法によって一定規模以上の事業所については産業医の選任が義務となっています。 常時使用する労働者数が1000人を超える事業場では、「専属産業医」選任しなければなりません。(ただし有害業務に従事している労働者が常時500人以上になると専属産業医が必要となります)
また、常時50人以上で999人以下の労働者を使用する事業場では、嘱託(非常勤)産業医の選任を致します。(ただし有害業務に従事している労働者が常時500人以上になると専属産業医が必要となります)
産業医としての職務は、労働者の健康管理ですあり、健康障害の予防や心身健康の保持、増進を助けるため多岐にわたるものとなります。
戦後の高度成長における過程での有機溶媒、鉛、科学物質による中毒やじん肺症などの健康障害の発生に伴い、工場法、労働基準法、労働衛生安全法の経緯があり、現在の産業医制度があります。
昨今ではストレスの増大による職場におけるメンタルヘルス対策への活動も重要な分野となってきています。

専門医

専門医とは特定の分野において特に優れた専門知識に精通しており、学会が認定した医師のことをさします。
専門医数が多いものとしては、総合内科専門医、小児科専門医、外科専門医、整形外科専門医、産婦人科専門医、眼科専門医、精神科専門医、消化器病専門医、循環器専門医、大腸肛門病専門医、皮膚科専門医、耳鼻咽喉科専門医、泌尿器科専門医、脳神経外科専門医、麻酔科専門医や放射線科専門医、肝臓専門医、救急科専門医などがあります。
日本専門医制評価・認定機構によって5年以上の専門研修、資格審査および試験にて合格した医師が各学会に認定されたものを専門医を位置づけています。例えば外科専門医の取得を目指す場合、専門医の認定試験を受けるためには5年以上の専門研修、規定の診療経験および業績と予備試験の合格が必要となります。
予備試験を受けるためには、専門研修を満4年経過している必要がありますが、この段階で規定の診療経験および業績が充足している必要はありません。規定の診療経験および業績とは、手術経験数であり、術者や助手として何の手術を何例するかなど最低手術経験数が決められています。専門医の分野または種類や各学会については日本専門医制評価・認定機構のホームページにて参照することができます。

読影

読影とは、CT・MRI・超音波検査や一般撮影などの画像から画像診断を行い、今後の治療方針や治療計画を立てることです。
読影には各疾患や病気に精通していて検査の結果から疑われる症状、進行具合の判断、さらに診断結果から今後の治療方針やさらなる検査の追加など臓器関係なく幅広い専門知識が必要となります。

医局

医局とは、診療科、研究室ごとに組織された団体のことです。
教授を頂点とし、助教授、講師、助手、平医師、研修医・医大生と続きます。

臨床試験

臨床試験とは薬剤や医療機器の安全性や有効性を確認するために、人間に対して行われる試験を指します。
その中でも、薬剤や医療機器の製造販売について、薬事法上定められた厚生労働大臣の承認を受けるために行われる臨床試験は「治験」と呼ばれます。
また臨床試験に先立って、基礎研究に続く動物実験が行われます。

当直

当直とは病院や診療所にて深夜の時間帯や祝日などの休日に勤務することをさします。当直の業務は各病院、診療所で違うこともありますが、多くの場合、入院患者や急患の診療対応をします。当直を担当すると当直手当などが支給されることがあります。
当直は「宿直」「夜勤」と呼ばれることもあり、各病院によって呼び方が違う場合があります。

宿直

宿直とは医師が急患や入院患者の急変などの非常時に対応するために医療機関に宿泊することをいいます。そのため、非常時以外の時間は労働時間とみなされません。宿直を行う際は、所轄労働基準監督署長の許可が必要となり、「軽い労働」「睡眠時間がとれる環境」が労働基準法で定められています。

新医師臨床研修制度

新医師臨床研修制度とは2004年の医師法の改定により始まった新人医師の研修制度のことをいいます。 以前は、大学卒業後は出身大学の医学部に所属し単一専門科を選択し研修をすることが一般的となっていましたが、新制度により臨床研修病院の指定を受けた任意の医療機関で研修ができるようになりました。
制度が始まった背景としては、研修医の待遇問題や、専門分野の知識に偏りすぎてしまう、地域医療への接点不足ということが課題となっており新制度の導入に至りました。これにより専門分野以外の域医療、内科、救急を必修とし専門外以外の知識の習得、育成ができるようになりました。産婦人科、小児科、脳外科などの診療科を選択する新人医師の減少、大学医学部の研究レベルの低下が見られるなどの問題も指摘されており、とくに過疎地や離島などでは多くみられます。
平成24年度時点で臨床研修病院の施設数は臨床研修病院・大学病院合わせて1026施設あり、前年度に比べて12カ所減少しています。平成25年には研修の質の向上や地域医療の人材安定確保を目的とし見直しが行われました。各医療機関へ募集定員を設置し研修希望者の激変緩和措置や出産育児、研究等に応じた臨床研修中断・再開の円滑化の措置なども検討事項となっています。この見直し案は平成27年度より適用予定としています。

医療行為

医療行為とは、人に治療・診断などをする際に医師免許、歯科医師免許、看護師免許、助産師免許などを持つ者が医学に基づいて行う行為のことです。
また、医学的に基づき技術や的確な判断がなされないと人体に危害が及ぶ危険性のある行為の総称でもあります。医師が医療行為をする際に満たさなければいけない条件があります。

1.治療目的
2.承認された処置でること
3.患者の承諾を得ていること

しかし場合によって例外的に条件を満たしていなくても医療行為を行える場合があります。緊急時の処置、輸血用血液採取、実験的治療行為、先端医療、幼児や意識不明者など患者本人に承諾を得るのがむずかしい場合になります。以前は、医療行為の定義は明確ではありませんでしたため、患者に対してどこまでが医療行為になるのか問題となっていました。厚生労働省は、2005年7月に免許や資格を持っていなくても行える範囲を明確化しました。また、以前は気管挿管の行為は医師免許を持っている者しか行えませんでしたが、2004年に救急救命士も行えるようになりました。
厚生労働省では高齢化社会や在宅医療を必要とする患者の増加により、看護師には医師の指導・指示により高度な医療行為が行える特定看護師の制度の導入も進めています。

緩和ケア

WHO(世界保健機構)では「緩和ケアは、生命を脅かす疾病に関連して、肉体的であれ、社会心理的であれ、またスピリチュアルであれ、諸問題に直面している患者やその家族のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を向上させる。」と定義しており、病気に対して痛みやその他の苦痛な症状を和らげる、クオリティ・オブ・ライフを高めて、病気の過程に良い影響を与える診療を行うことです。
以前はホスピス・緩和ケアというと癌末期のイメージが先行したが、現在では癌治療における場合は、治療の初期段階から緩和ケアを行い外科手術、化学療法、放射線療法と連携して進めていきます。
また、心理的な面からも積極的な支援をすることなどから、仕事をしながら、あるいは自宅療養での治療を行えるなど、生活の質が向上し、うつ病などの精神症状が少ないということから結果的に生存期間が長くなるともいわれております。
また、日本では「緩和ケア」という言葉は癌治療を指すのが主流でしたが、心不全、AIDS(後天性免疫不全症候群)など疾患を問わず治療全般に使われます。

癌取扱い規約

がん医療の専門家が集まり、各種癌の状態や治療・統計を記録する際の定義を関連学会がまとめたルール集で、金原出版より発行されている本の名称。
臓器ごとに記載項目や使用記号が定義されており、どんな性質の癌なのかを組織や細胞の形などから分類します。 日本病理学会が中心となり、日本の規約の統一化作業が行われており、「癌取扱い規約」に従うことでどの医療施設においても共通の定義での診断や診療が可能となります。 細かく分類されており(子宮がんだと頸癌・体癌に分かれるなど)1冊4000円~になります。 ポケットサイズで持ち歩きにも便利、また癌によっては診療進歩により改定をしています。

ステルス医療費

「ステルス医療費」という言葉はとある番組で使用され、トレンドワードとして急上昇している言葉です。
ステルス(英語: stealth)は隠密、こっそりと行うことを意味し、目に見えていない医療費、隠れている医療費の事を指します。
実際に病院にかかり、薬を処方してもらう一般的に診療費としてかかる金額は自覚のある費用と考えられますが、慢性的な体調不良としてよくある肩こり、腰痛、頭痛、膝の痛みなどの対処療法として市販で購入する湿布や薬、矯正ベルト、サポーター、サプリなど購入することが多いのではないでしょうか。
これが目に見えない医療費として、知らぬ間に膨大な出費とになる「ステルス医療費」として説明されています。 また、それにより悪化してから病院に行き、初期症状なら簡単な治療で済んだものが、余計な出費がかかてしまうということも「ステルス医療費」と表現されるようです。

COVID-19(新型コロナウイルス)

コロナウイルスは、動物と人間の両方に見られるウイルスのうちの一つです。
ヒトが感染すると、風邪を含む呼吸器感染症を引き起こし、中東呼吸器症候群(MERS:2012年発見)や重症急性呼吸器症候群(SARS:2002年発見)、新型コロナウィルス(COVID-19:2019年発見)などのより深刻な病気に至るまでの病気を引き起こすことが知られています。 コロナウイルス自体は1960年代に発見されており、重篤な気道感染症を起こします。
COVID-19(コロナ)は2019年12月に中国の武漢でアウトブレイクし、2019年以前は検出されていない新しいウィルスになります。
COVID-19(コロナ)に感染すると、発熱、咳、鼻水、のどの痛みなど、軽度の風邪のような症状を引き起こし、高齢者、糖尿病や心臓病などを持つ人々は、ウイルスによる重篤な病気にかかりやすいようです。
症状が風邪と似ているため、特定することは困難であり臨床検査が必要となります。また、潜伏期間が(感染から病気の臨床症状の発現までの時間)について、現在考えられているのは推定値は1〜12.5日で、推定値の中央値は5〜6日になります。最大期間は14日であるとも言われています。
感染経路についてCOVID-19(コロナ)は、主に人が咳やくしゃみをしたときに発生する呼吸器の飛沫・唾液の飛沫・鼻水等によって感染者との接触を介して広がる呼吸器ウイルスです。
防衛策としては、くしゃみや咳をする時に屈曲した肘で覆う、ティッシュは使用したらすぐに閉じた瓶や密封したパッケージに入れて捨てる、外出時のマスク(ただしWHOでは予防の効果は少ないとされている)、石鹸での手洗い、アルコール除菌などです。

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